重度や難治性のニキビを治療するためのビタミンA誘導体の内服薬で、市販薬では効果が得られなかった方にお勧めです。
アキュテインのジェネリック薬として、ニキビの原因となる皮脂の過剰な分泌を抑え、毛穴の詰まりを予防しながら治療を行います。
イソトレチノイン(トレティバ)は、他の治療法では改善しない重度のニキビを治療するためのビタミンA誘導体です。重症のニキビに対して高い効果を発揮することが報告されています。ただし副作用のリスクもあるため、他の治療法で効果が出ない難治性のニキビ治療に使用されます。
トレティバは、日本でよく知られているアキュテインやロアキュテインと同じ成分を持つ、海外版のジェネリック薬剤です。イソトレチノインの作用メカニズムは完全には解明されていませんが、アクネ菌への抗菌作用や抗炎症作用が優れていること、皮脂分泌の抑制や皮膚の角質化を抑えることにより、ニキビの原因となるコメド(面皰)の発生を防ぐことが分かっています。
2012年の欧州の痤瘡治療ガイドラインでは、重度の丘疹膿疱性痤瘡と中程度以上の結節性痤瘡治療にトレティバの使用が強く推奨されています。2016年の米国ガイドラインでも、中程度の痤瘡に対する低用量治療が強く推奨されています。
アメリカやカナダなどのニキビ治療の先進国では、トレティバが認可され、治療に不可欠な薬剤として広く認知されており、ジェネリック薬も多数発売されています。しかし、日本ではまだ承認されておらず、医師が個人輸入して患者に処方する形でのみ使用が認められています。
トレティバの有効成分であるイソトレチノインは日本では認可されていないため、健康保険を利用しての処方は受けられません。
自由診療でイソトレチノインを取り扱う医療機関(主に皮膚科や美容皮膚科)が全国にいくつかあり、医師の診察を経て購入が可能です。
費用は全額自己負担となり、医療機関によっては価格に差が出ることがあります。
1錠あたりの相場は約600円で、10錠分だと薬代が6,000円程度になります。
診察料などの受診費用が加わると、一度の支払いで1万円以上になることも少なくありません。
血液検査などが必要な場合は、さらに数千円の費用が加わりますので、高額な出費が予想されます。
一般的に、体重1kgあたりトレティバ0.5mgから2.0mgを目安に(体重50kgの場合は25mgから100mg)、1日2回、朝食後と夕食後に分けて服用します。
服用期間は通常、1クールで15~20週間です。
1クールの服用で70%以上の症状改善が見られた場合は、服用を終了してください。
もし1クールで症状が十分に改善しない場合は、2クール目を開始しますが、その際には1クール終了後、最低でも8週間の間隔をあけてから服用を再開してください。
症状の重さや体重などにより、必要な服用量や期間は個人差がありますので、服用は医師の指導の下で行うようにしてください。
イソトレチノイン(トレティバ)は、他のニキビ治療薬に比べて強力な分、副作用の発生も多く見られます。
この薬は皮脂の分泌を抑える効果がありますが、その副作用として、皮膚の乾燥や皮膚の紅潮(発赤)が生じやすくなります。ニキビのある部位だけでなく、全身や粘膜部位の乾燥も見られるため、毎日丁寧に保湿を行うことが大切です。
さらに、頭痛、目のかすみ、下痢、吐き気、脱毛、疲労感などの副作用も報告されています。
稀ではありますが、重大な副作用として、うつ症状や視覚障害、聴覚障害、肝炎、膵炎、潰瘍性大腸炎などが挙げられますので、注意が必要です。
イソトレチノイン(トレティバ)の治療を始めた初めの1ヶ月間は、一時的に症状が悪化することがありますが、これは肌が正常な状態を取り戻す過程で起きる好転反応です。
その後の2~3ヶ月で、ニキビは顕著に改善する傾向があります。
トレティヴァ服用後に体調に何か異常を感じた場合は、服用を中止し、直ちに医療機関を受診してください。